駅前の釣具屋
名古屋の駅前に突然小さな釣具屋さんがオープンしました
10年ほど前の話なんですが、そこの親父さんは脱サラし店を出したそうで、とても面白い方でした
もともと釣りが趣味で川釣り、海釣り何でも経験されておられ、何でもよくご存知でした
たまに覗きに行くと、パソコンに向かってオークションとかを一生懸命やっています
パソコンやネットオークションは当時はまだ認知度の低い時代でした
ある時、前から欲しいなと思っていた高そうなタモの柄を手に取り
いくらなら買う?
と聞いてきた
もともと、値札を貼っていませんでしたので金額は分かりません
一本の木から作られている年期の入った漆塗りのタモです
高いんでしょ?
だから、いくらなら買うの?
わかった、出せる金額を言って
ぼくも同時に言うから
君の金額より安かったら買ってね
せーの
私: 五千円
親父: 三千円
親父: ありがとう
私: いえいえ、こちらこそ
三千円で譲り受けました
但し、たま網は確か定価で買わされましたよ
またある時は、いい竿が入ったよ
と奥の部屋から持ってきたのは、がまかつ8mの渓流竿
渓流釣りをやっていたのですが、長竿は持っておらずグッドタイミングです
型は少し古いようでしたが新品です
一万でいいよ
じゃあ置いといてください、帰りに取りに来ます
と、まあ欲しいものを安く仕入れてくれるとても有り難い親父さんでした
暫くして店閉めちゃいましたが、鮎釣り用の毛鉤などたくさん置いてあり、今思えば買っておけば良かったと後悔します
今どうしてるのか